stormy97’s diary

あわよくば人に勧めたい、作品の紹介と感想

The Indifference engine についてメモ

伊藤計劃の作品。

 

ハーモニーでは伊藤さんの、緩和ケアにより、不安の軽減の副作用として感情が麻痺させられてしまうこと、についての実体験が反映させられている。


p42「医学の、いやシステムの勝利とは、対処法の確立ではない。万全の予防により発生自体が防がれ、存在すら半ば忘れ去られる事だ。」

 

44-53 未読のメタルギアソリッドについてであるため読み飛ばす

 

「不毛のタイトル地獄」、下ネタなんだけどコアな映画ネタが満載で笑ってしまう。
そうそう行くことのないコーナーですが、こんなパロディだらけだとは…笑

 

以下のように寄稿されていた佐藤亜紀さんの小説が読んでみたくなった。

「現代人の大半は、文明社会の一応の掟として、御遺体を何らかの人間性を備えた物として扱うことに固執するだろうが、人格性は物質が組織化され機能している様態の修辞的表現だ、と認識することにもさして抵抗はないだろう。正教会唯物論者の見解の相違は、〜実は驚くほど小さい。遺体は物であり、形相は形而上学的な認識として神のもとにあるとされるか、或いは擬制として社会的にあるとされるかだ。いずれの場合も儀礼即物的な事実を覆い隠す。人間とは物質であり、宗教的なものであれ世俗的なものであれ、何らかの文明の掟を前提にしないなら、生きている人間と死んだ人間とに大した差はない。」