『ヴァニラフィクション 8巻』感想 2016
作中にこんな台詞がある。
「俺的ベストファーザー賞 永久一位、鞠山雪彦」
よくぞ言ってくれました!完全に同意!
しかし佐藤先生も彼に負けず、良いお父さんのようだと思った最終巻の感想。
【以下ネタバレ】
佐藤の頭の中で登場人物が一覧になる場面は、文字がページの殆どを占めていて、一気に空気感が変わり、やはりすごいインパクトだ。
先生変わったなぁ。
「最悪だ」「想像しろ」聞きなれた言い回しが最後にこう出てくるとは。
「ハッピーエンドを書けるのか?」
「嘘もそう感じさせないように『演じ』て子供を守るのが、大人の役目」
「本当の親子であれば鞠山のような選択ができるのかもしれない、という鞠山や本当の親子への憧れや劣等感」
今までに出てきた佐藤への伏線、これら全てに決着がつくラストだった。
伏線回収の爽快さは、彼女が以前コラボしていた伊坂幸太郎作品と通じるところがありますね。
彼女の作品はエンターテイメントがお好きな方には、絶対面白いから!とお勧めしたくなる。
ラストの真相については、ゲームは終わらせていなかったし、先生は死ぬ運命ではなかった。ただ演じた、という事か。
ドラジェの表情、クッキーを食べる場面の印象深さ、先生が導いたハッピーエンド、どれも印象深い。
「素晴らしいほど 予定通りだ。」
「君のために、小説を書くよ。」
「私の作った物語で誰かを幸せにする。それが私の憧れであり、幸せであり、役目なのだから。」
↑伊坂幸太郎と大須賀めぐみのコラボ作品(魔王JRとwaltz)