stormy97’s diary

あわよくば人に勧めたい、作品の紹介と感想

「ブラックメリーポピンズ」2016舞台 感想

舞台「ブラック メリー ポピンズ」

 

薄暗いミステリアスホラーと聞いたからか、なんとなく録画してあったブラックメリーポピンズ。

ミュージカルを見慣れていなかったので、以前1度、導入でわからなくなって止まっていた。

 

観るきっかけになったのは、NARUTOに出ていた良知真次さんの、ファンの方がつくった出演作品チャート。いいなー他の作品見てみたいな〜〜と眺めていたら知ってる名前があった。それがこれ。

あるじゃん!見なければ!!!

 

そうして観た感想なので良知さんの事多いです。ネタバレあり。

 

 

キャストさんが5人という少人数の舞台でした。

良知さんどこかな〜と見回すと子供っぽいビジュアルを発見。おお!

 

第一印象が、

弟だ……

めちゃくちゃ情緒不安定だ……

ってくらいこれまで見たイタチともドリアンともとてもギャップがありました。どちらも余裕があって大人っぽい役だったので。

 

この舞台での役ヨナスは、跳ねる。はしゃぐ。高い声で甘える。意外さと可愛さでニコニコしてしちゃいますねこれ。

 

ヨナスの性格上もあるんだけど、舞台自体、義兄弟4人の、幼い子供の頃の回想場面が多いんですよね。

子供時代も同じ人たちが演じています。

 

幼くてたどたどしい口調や子供特有の思い切りの良い喋り方、臆病さ、はしゃぎかた…高い声…すげーちっちゃい子供だ…4人とも演じ分けがすごかった。

特にアンナの"気の強い女の子"っぷりが、いるわこういう幼女〜〜〜と感じさせる。すごい。

 

兄弟の個性が描き分けられてましたね。

ハンスは長男らしく皆を庇いたがり責任感が強い。

ヘルマンはすぐ下の子っぽいポジションのアンナを守ろうとしてるように見える。そして判断を委ねたがるように人の顔色を伺う。真ん中っ子っぽい。

アンナは愛されてる下の子らしく唯一の女の子らしく自信満々気が強い。

ヨナスは無邪気で子供らしく、感受性が高そうで、すぐ傷つくし喜ぶ。そして何より臆病。

 

 

物語は、養子なのかな?義兄弟同士の子供たち4人が、昔起こった、父が死に火事が起こった事件と姿を消した養母(?)メリーの真相を追うというもの。

 

話がわからないという心配は必要ありませんでした。

導入では一気に説明がなされるけど、そこで全部わからなくても20分ほど見ていると子供たちの会話から知ることができます。

 

父を殺し家に火をつけた犯人らしいメリー。本人がそう言っているけどなにやら裏がありそう。(裏がありそうな犯人が私を憎んでいればいいと言うの聞くと一身上の都合で暴れだしたくなります)

事件の記憶がない子供たちはメリーを信じたい心や疑いで揺れ、また自分が犯人の可能性にも怯える。

 

 

詳しくは割愛しますが、この事件が明かされる時には、

 

幼少期のおやつをあげている??不思議なシーン、彼らに記憶がないこと、失踪したメリー、不安神経症になってしまったヨナス、事件の時血に濡れていたハンス、

 

伏線の全てが綺麗に繋がります。ミステリーとしてとても気持ちが良い!

 

 

前半ヨナスは自分の怯えを言葉にすることもできず、弱々しい子供のようだったので、可哀想………という気持ちで見ていたんですが、

終盤の彼を見てガッツポーズしましたね。

そうくるか。ありがとう!!!

こんな無邪気で可愛いのによう……。私の観た良知さん、今のところ全員人殺しです。そんなふうに見えないヨナスまで。まじか。

 

だけどまあ相応の正当化できないものを 背 負っ て い た か ら こ そ不安定な心で生きている人は、良いですね……。

 

終盤の修羅場シーンはそれぞれの激情が露わになって好きです。

そして、彼らはみんな相手を庇いあっていたし共犯者だった。胸が熱い。

 

 

作中の音楽は、例えるなら外国の童話のような、可愛らしく妖しげな雰囲気のものが多く素敵でした。

あれはなんてタイトルなんだろう、三拍子のオルゴールメロディみたいな曲が好き。

記憶を消すシーンはますます妖しく幻想的でしたね。火がつけられたシーンはそれが一層際立って良い………。

 

このあたりの、濁った空気の中で、あなた達をここから抜け出させてあげる、私を信じて、と言うメリーが格好よすぎて惚れました。

私は姿を消すからという自己犠牲の精神〜〜;;

いやー催眠師というのも相まってメリー…独特の魅力がたまらないですね……。

 

暗いと聞いていたブラメリですが、最後はハッピーエンドだった、という明るい気持ちで見終えることができました。

ヨナス…強い子になって……。

中盤の怯え、泣いて、情緒を狂わせ後ずさり、というのも、圧巻の表情でしたし、彼が「弱々しさ」を表に出すとこんな演技なんだ…😊と知れて嬉しかったのですが、

後半しっかりした喋り方になったのがまた好きです。

 

総じて良知さんのヨナスが気になりメリーに惚れた舞台でしたが、個人的にハンスも好きでした。

真面目そうで責任感強そうな、眉間のシワが似合う長男。迷いなく罪を犯した弟を庇おうとする所も良かった。そして肩幅目立つベスト姿格好いい。

なんか見たことあるな〜と思ってたらアンナがしょこたんでヘルマンがアンジョルラスだったことには驚いた。

 

感想は以上です。

いや〜舞台は綺麗な歌と演技と人々の激情が見られるのが良いですね。

 

そういえば、ブラックメリーポピンズの他にメリーポピンズという作品?もあるそうで。元ネタなのかな?気になる。

黒○○というと元ネタの個性を入れ替えたパロディみたいなものが浮かぶ。想像ですが、そういう遊び心ある作品も楽しいですよね。

今度調べてみようと思います。