チェンソーマン、感想
まとまっていない覚書的な感想です。ネタバレ注意。
趣味の合う友達に、私が好きそうなキャラがいるよとすすめられて読んだ。
表紙から擬人化?アメコミ風?のようなイメージがあり、そういう作風のものを自分ではあまり読まないので、内容を知らずに読み始めた。
読み始めて一気に読み終わった。
想像以上に面白かった!
それから絵がアナログの筆跡を残した感じでどこか泥臭く勢いがあって、それでいて色気もあって描き込みはあっさりしておりとても好きだ。
話は一巻の序盤から何やら治安が悪そうなところで、人間らしさは問題外、尊厳より生きるために暮らしている少年の物語らしいとわかる。
少年が夢を口にするが、飾らず欲に忠実。好きな世界観だ…!!
この少年デンジが主人公なんだけど、まぁ野生的といった方向で、素直で強か。見ていて気持ちがいい。
「夢勝負しようぜ夢勝負!!!」強くなるほどIQが低くなる漫画だったか、このセリフの書かれた一ページが以前Twitterでバズっており何も知らないで見て笑った記憶があるのだけど、これ、この漫画だったんだな!該当のシーンを読んで気がついた。
だいたいやる時はこんな感じのノリの男デンジ、良い。
私が好きそう!と言われたキャラは早川アキだったんですが、復讐者で過去の色々背負いがちな男らしい。確かにそういうキャラ好きだわ笑
加えてアニネズのイメージだったらしく、確かにとくすっとした。すらっと細くて首も細くて背が高いポニテツンツンで、真面目でピリピリしてるの滲み出てる感じ、アニネズ好きな人に刺さりそう〜〜
ただそういうツンツンっぽい蓋を開けてみれば、なんというか素朴で情があっていい人でしたね。身近にいて欲しい系のいい先輩でしたね彼は……。普通に幸せになって欲しかったね……。
キャラクターだとデンジを拾ったマキマさんという上司の女性がとても独特。
育ちの良い少女のような見た目をしており実際言動も品はあるけれど、なんだか強い。怖いというか強い。物腰も穏やかだけど、誰も逆らえない上司としての貫禄がものすごくある。
上品なお嬢さんっぽさに似合わず、映画でミステリアスで色っぽいお姉さんがするような思わせぶりに人をからかうようなこともするところもギャップの塊だ。
何を考えてるのかいまいちわからないので、鼻につくあざとさもないし、絶対確信犯だし、もっと言えば別の意図があってしてそうだし、からかうの好きなの?ほんとに????と思わせる。
話はバトルもの?ダークファンタジー?スプラッター?刑事物…?色々な要素がありどこか混沌としていて簡潔に説明するのが難しい。(そこが面白い)
話がだいぶ飛びますが、読了後の感想としては
チェンソーマン、デンジのぶっ飛び方や頭の悪さも伏線だったんだ……作者さんも常識超えた(?)アバンギャルドな感じなのかと思ったが、冷静に描いてる系か〜!!!と驚いた 王道成長物語だった……
ムチャクチャなデンジが物事を深く考えてないのは、本人の能力の問題ではなく防衛だったり意図的だったりしたし、その考えてなかったことを反省させられてしまう話だったんだ
伏線といえばマキマとの決着の付け方、もしやデンジが何でも食べるのも、マキマさんとセックスしたい(=一つになる)という夢も踏襲してる…?すげえ
それから支配の悪魔の願い、チェーンソー(=圧倒的な力)の悪魔の願い、なるほどという感じだ……
チェーンソーの悪魔が出てくるシーンは毎回泣けますね……
支配の悪魔、対等を得るために支配を行なってしまうあたり業が深い。近づくものを殺してしまう、友達が欲しい怪物に似たものを感じる。
…と言うと天使くんもそうだね。
チェンソーマンの能力怖いよね 何かデジャヴを感じたのだが、デジャヴ元はドラえもんの独裁スイッチや、世界から猫が消えたならだろうか。そういえばあれも悪魔だった。
早川アキ、使命を背負い使命に生きた準メインキャラかと思ったら不運かつ利用された当て馬寄りの男でただただ不憫
銃の悪魔に復讐するために公安に入ったアキが死後体を憎むべきそいつにのっとられて銃の魔人として周りを殺戮し、大事な同僚に殺されるのまじで設定趣味悪いな!!!!と思ってしまったがアキって名前すら自動小銃Aki-47から来てるんですって!?趣味わっる!!!!いや…興奮しちゃいますね地獄で
最後のシーンも清らかな思い出に殺戮マシーンを重ねてくるの最低すぎて最高だったよ何事???早川アキが何をしたってんだ
最悪の死に方をしただろう?チェンソーの少年にとってねの場面が暗く頭にこびりついて離れない
このあたりは、ノーテンキだったデンジがあの反応する事自体作品のテンションごとぐらついててしんどい。不安を煽られるタイプの良質なホラーを見た後の気持ちになる……嫌だけど、とてもよかった。9巻でこの作品に魅了された。
開けちゃダメだよ、の予知夢、やはり足場が消えるような怖さがある。背筋が冷える。
ドアの向こうに何があるのか知りたくもないのに開けてしまうの緊迫感があって良かった手に嫌な汗滲んだ。
アキが立っていた時のデンジの反応…劇的に喚くのでもなく呆然としてうすら笑いでいつもの口調で言うしかないの…リアルですよね…すげえ嫌だ。
話が逸れるけどこの時のアキのビジュアルグッときましたね。
そしてドアの予知夢はこのシーンのものと思いきやそこだけじゃ終わらなかったね……なんてことだ。