stormy97’s diary

あわよくば人に勧めたい、作品の紹介と感想

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

VANILLAFICTION7巻 感想(2015)

大須賀めぐみさんの作品、『VANILLA FICTION』 今回は鞠山編と書かれていた通り、展開はあまり進まずに、鞠山親子に焦点を当てた一冊でした。薄々彼らに何かがある事は聞いていましたが、、、こう来るのか。 【以下ネタバレ】 太宰が一瞬鞠山に見えて、ここ…

ハムレット

好きな小説『NO.6』に引用されていたことから、断片的な知識を持って読んだ。 ・父ハムレット王の死因は昼寝中毒蛇に噛まれたことである。 ・NO.6の「面倒ごとと楽しみは一緒にやってくる」、は「嘘と誠は手を携えてやってくる」のパロディか? あたりが6的…

カラマーゾフ好きによる『オイディプス王』感想

読書会にて、亀山先生から、『カラマーゾフの兄弟』の理解に役立つとお聞きして読んだ。確かにこれは連想する要素が多い…!ストーリーもかなりわかりやすく、面白く、また深い余韻が残る、人にオススメしたい作品でした。 ソポクレス オイディプス王【電子書…

The Indifference engine についてメモ

伊藤計劃の作品。 ハーモニーでは伊藤さんの、緩和ケアにより、不安の軽減の副作用として感情が麻痺させられてしまうこと、についての実体験が反映させられている。 p42「医学の、いやシステムの勝利とは、対処法の確立ではない。万全の予防により発生自体が…

漫画 僕だけがいない街

すっげーすっげーすっげぇ!!設定にどれも無駄がなかった目線の変え方や、状況の小出しの仕方がすごい。疑問は残しながらも語り手が知っている事だけなので不自然じゃない。読んでいて???となった所は読み終わった後だと全て説明がつく。あいりの過去も…

私を離さないで

金曜ドラマ「私を離さないで」の全話通しての感想と、小説版の感想です。 この作品は物語や世界観の面白く、どうにもならない中、それでも人々が生きていく様が好きです。 【以下ネタバレあり】自分たちのルール、言葉で表せないけれどずっと正しく物事を捉…

虐げられた人々

4作目に読んだドストエフスキー作品。彼の作品は長台詞があったり、哲学的な話が織り込まれていることで有名だが、この本は驚くほど読みやすい! 初めから場面に引きつけられる。短編だからというのもあるかな。 今までに読んだドストエフスキーの長編って、…

ベンジャミンバトン

ずっと観たかったベンジャミンバトンを観た。 意外にも、切ないロマンスは物語の終盤になってからで、全体としては「普通の」人生が描かれていた。(まさに、下記のブログの方が言われてるような感想を抱く。) http://www.cinemawith-alc.com/2013/08/benja…

小説版 キャンディキャンディ

漫画はきらきらした青春の話を切り取った少女漫画で、それが世界の全てだったので、この本のようにその後の…もう青春時代を過ぎたキャンディが思い返すように語る(…というか現実を生きている)ことは、どこか寂しくて好きになりたくないような気持ちになる…

怪物はささやく

怪物が語る3つの物語。 3つ。物語の数に限りがあるのならば、その終わりにはなにかが待ち受けているということだろうと予感させる。そしてその通りに、明かされる残酷な真実。 あらすじと合わせて、美しい世界観のダークファンタジーを思わせる画像に、興味…