stormy97’s diary

あわよくば人に勧めたい、作品の紹介と感想

2018-01-01から1年間の記事一覧

小説『オー!ファーザー』 感想

『オー!ファーザー』伊坂幸太郎 個性豊かなお父さんたちと、その息子由紀夫を中心に、知事選挙や不登校の生徒、峰岸的な意味で怒らせるとヤバイ男…などが織りなす物語。 オー!ファーザー (新潮文庫) [ 伊坂幸太郎 ]価格:853円(税込、送料無料) (2018/1…

『ライ麦畑でつかまえて』の感想-崖から落ちるとはどういうことか-

18/12/28 BANANAFISHとの関連について に追記 J.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』 BANANAFISHのアニメに引用されていたことをきっかけに、名作と聞いていつかは読みたいなーと思っていた事もあり、この機に!と読みました。 日常的な話で文も語り口…

公共の秘密の話。『『わたしを離さないで』を読む』

『「わたしを離さないで」を読む』この本はカズオイシグロの「わたしを離さないで』を巡る評論集だった。『わたしを離さないで』は好きな作品なので、興味を持って読んだ。 専門家による評論集のためか、理解にはある程度の前提知識を必要とするものが多い印…

『ハーモニー』感想 2015

2015年の、初見の感想です(追記2018.12.7) 伊藤計劃さんの『ハーモニー』。 生の定義、近未来の倫理観だとか、管理社会だとか、そういったテーマが好きな方にはめちゃくちゃ読んでほしいです。これほど完成度の高い、SFには初めて出会いました。個人的には…

『優しい死神の飼い方』感想 2017

知念実希人の『優しい死神の飼い方』 優しい死神の飼い方 (光文社文庫) 冗談めかして書いてある所が多く、ラノベやファンタジー小説っぽいかな。 少し優しく、少し悲しく、穏やかな読み心地の作品でした。 以下、ややネタバレあり p193の 「死神にとって『時…

斬新なバイオテロもの、『時限感染 殺戮のマトリョーシカ』

岩木一麻の、『時限感染 殺戮のマトリョーシカ』 内容は、ウイルス学教授を殺害し、病原性の低いヘルペスウイルスを使いながらも「数十万人を殺害する」という犯行声明を出したバイオテロリストと、それを追う警察官らの追跡劇 という感じでしょうか マトリ…

『ヴァニラフィクション 8巻』感想 2016

作中にこんな台詞がある。 「俺的ベストファーザー賞 永久一位、鞠山雪彦」よくぞ言ってくれました!完全に同意! しかし佐藤先生も彼に負けず、良いお父さんのようだと思った最終巻の感想。 VANILLA FICTION 8 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル…

「ドントブリーズ」感想 2017

「ドントブリーズ」、おじいちゃんが強盗に逆襲する話と聞いて、おっ面白そう!と視聴。 この映画を一言で言うなら、怖い版ホームアローンって感じ。あの映画好きだったんですよねぇ。笑 【ポイント10倍】ドント・ブリーズ (88分)[OPL-81044]【発売日】2017/…

「カカシ暗部篇」感想

NARUTO疾風伝の番外編、カカシ暗部篇の感想です。 一言で表すなら、闇が深い!! 真伝で深いのが業ならこっちは闇ですね 暗部篇にあたるのは569〜581話で、 〜576話がテンゾウ絡み 577〜579話がイタチ(うちは)絡み 580,581話が「カカシ先生」のお話ですね…

舞台『死神の精度』が良かった

2018年8月31日、19時〜21時5分頃、あうるすぽっとにて観劇した、「死神の精度」の感想です。 伊坂幸太郎原作。 自分は彼の作品のファンなのですが、死神の精度に触れるのは久しぶり。いやー懐かしかった…!! 思いついた順にぽつぽつと感想です。 以下ネタバ…

小説『イタチ真伝』 感想

小説『イタチ真伝』は、イタチに焦点を当てたNARUTOのスピンオフで、光明篇と暗夜篇の二冊構成。 比較的人が死ぬ作品に慣れてる周りの方達が、口々に精神にくると言っているこの本。怖すぎた。読む前はそれはもう胃が痛かった。 読後の感想はですね…月読を食…

『ホテルコパン』

ホテルコパン 一貫して、「生きていれば一つぐらい良いことある」が主題なんだろうなという作品。 【新品】 ホテルコパン [DVD] ホテルに集った訳ありの人々による群像劇という部分と、主演のシリアスな役どころに惹かれて鑑賞。 主演の市原隼人さんは、体育…

『銀河鉄道の夜』ってどんな話なのだろう

「けれどもお互いほかの神さまを信ずる人たちのしたことでも涙が溢れるだろう」 新編銀河鉄道の夜改版 (新潮文庫) [ 宮沢賢治 ] 以前何度か挑戦して、物語の趣旨を飲み込めず挫折していた当作。以前よりは少しつかめたかも。 それでタイトルの疑問に戻る。…

『夢 うつつ まぼろし』感想

この本は、「夢」に関する文化や脳科学について易しく書かれたもののようでした。 都市伝説かな?と思っていたことに科学的な説明がついたり、言葉の意味や知らない文化を知れたりして、面白い内容でした。 夢とは、文系目線でも理系目線でも美味しいテーマ…

『沈黙』感想

遠藤周作の『沈黙』、映画化であらすじを知ったのですが、異端審問と神の沈黙がテーマと聞き気になって読みました。 イワンカラマーゾフに通じるテーマ…。 以下では、キリスト教に疎い者が勝手に色々と述べているので見ようによっては不謹慎かもしれません。…

一現役生による、動物実験に関する考え

19/1/6追記 私は動物が好きだ。物心ついた頃からずっと、様々な種のペットを飼ってきた。人よりよほど動物の方が好きだし、人が動物より秀でているとも思わない。 しかし私は現在動物を殺し・利用する立場にいる。(医・理系の実習を想定してほしい。) 考え…

戦争と虐殺と倫理絡みの新書 についてメモ

2017年のメモ。2018.10追記。 『戦争広告代理店』 ・ボスニア外務大臣ジライジッチの顔は「シェークスピア劇のハムレットのイメージ」←すげーわかる ・言葉(文法)という点で虐殺器官はPR会社と関連づけられているのだと思った。しかし実際戦争をPRする仕事…

魔法少女まどか☆マギカ 感想

「魔法少女まどか☆マギカ」のアニメの1クールを観ました。他に映画があるらしい。 好きになりそうだな〜とずっと思っていたので観られて良かった! ・タイトルといいビジュアルといい声といい、ぱっと見プリキュア ・虚淵玄監督(救いのない話を作ることで有…

ROAD TO NINJA-NARUTO THE MOVIE- 感想

「ROAD TO NINJA-NARUTO THE MOVIE- 」 チャラいサスケが出てくるようなパラレルワールドが描かれるらしい、という前情報のみで視聴。 木の葉ほぼオールキャラ! 暁も登場! 公式で描かれるパラレルワールド!本編とギャップだらけなif世界のキャラクターた…

虐殺器官考

伊藤計劃の小説、またその映像化作品の『虐殺器官』について、考えたことと、調べていて見つけたことの中で面白かった事を書き留めました。 内容を知っている方向け。 自分用のメモを兼ねているので読みづらかったらごめんなさい。 『罪と罰』と虐殺器官 罪…

BORUTO-NARUTO THE MOVIE- 感想

大人になったナルトとサスケが良いよ!とおすすめされて気になっていた、「BORUTO-NARUTO THE MOVIE-」 内容を知らずに観ましたが、漫画『BORUTO』の父子のくだりの映像化って感じでしたね! テンポが良く、最後まで楽しんで観ました。 作画もすごく綺麗だっ…

DEEP WATER 感想 2015

清水玲子さんの完全新作と聞いて、DEEPWATERを読みました。買うか迷ってたけど、やっぱ買って大正解でしたねー☺️ この凄さをなんて表現しようか…。面白い長編小説を読み終わった後のようなこの感じは、「ものすごい読み応え」ですね。それなのにぐいぐい読ま…

漫画 ウロボロス 感想 2015

神崎裕也さんの『ウロボロス』、ドラマ化すると話題になっていた事から知り、面白そうだったので、せっかくならドラマが始まる前にと読みはじめました。生田さんが復讐って鈴木さんみたいだし、笑 ←華やかすぎると思ったけど、イクオ見てたら違和感ないかも…

ドラマ ウロボロス 感想 2015

ウロボロス-警察ヲ裁クハ我ニアリ-、面白いですね。 以下、ドラマ版のネタバレ感想。 久々に、かなり引きずってるのでぐだぐだ語ります。 ドラマ版も、毎週テレビに噛り付いて見てました。漫画版とも違ったあの雰囲気が好きで好きで。というか、本当設定から…

重力ピエロ 2017

「重力ピエロ」、読みました。 最近よく伊坂さんの本を読んでいますが、彼の作品はなんだか感想を書くよりも引用がしたくなります。 重力ピエロ (新潮文庫) [ 伊坂幸太郎 ]価格:766円(税込、送料無料) (2018/10/24時点) 楽天で購入 遺伝子の話に芸術の話…

VANILLAFICTION7巻 感想(2015)

大須賀めぐみさんの作品、『VANILLA FICTION』 今回は鞠山編と書かれていた通り、展開はあまり進まずに、鞠山親子に焦点を当てた一冊でした。薄々彼らに何かがある事は聞いていましたが、、、こう来るのか。 【以下ネタバレ】 太宰が一瞬鞠山に見えて、ここ…

ハムレット

好きな小説『NO.6』に引用されていたことから、断片的な知識を持って読んだ。 ・父ハムレット王の死因は昼寝中毒蛇に噛まれたことである。 ・NO.6の「面倒ごとと楽しみは一緒にやってくる」、は「嘘と誠は手を携えてやってくる」のパロディか? あたりが6的…

カラマーゾフ好きによる『オイディプス王』感想

読書会にて、亀山先生から、『カラマーゾフの兄弟』の理解に役立つとお聞きして読んだ。確かにこれは連想する要素が多い…!ストーリーもかなりわかりやすく、面白く、また深い余韻が残る、人にオススメしたい作品でした。 ソポクレス オイディプス王【電子書…

The Indifference engine についてメモ

伊藤計劃の作品。 ハーモニーでは伊藤さんの、緩和ケアにより、不安の軽減の副作用として感情が麻痺させられてしまうこと、についての実体験が反映させられている。 p42「医学の、いやシステムの勝利とは、対処法の確立ではない。万全の予防により発生自体が…

漫画 僕だけがいない街

すっげーすっげーすっげぇ!!設定にどれも無駄がなかった目線の変え方や、状況の小出しの仕方がすごい。疑問は残しながらも語り手が知っている事だけなので不自然じゃない。読んでいて???となった所は読み終わった後だと全て説明がつく。あいりの過去も…