stormy97’s diary

あわよくば人に勧めたい、作品の紹介と感想

『朽ちないサクラ』感想

柚月裕子の『朽ちないサクラ』

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朽ちないサクラ (徳間文庫) [ 柚月裕子 ]
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人に勧められて読んだ。

ストーカー殺人事件にまつわる警察官のスキャンダルから始まり、それに続く関係者の突然死や辞職などの謎に迫る作品。

 

残酷な描写も感情描写も、展開も淡々として、良くも悪くも「フィクションで娯楽用」という印象。その分とても読みやすく、すいすい頭に入ってくる。生々しい悪意も感じないので後味も良い。謎が謎を呼ぶストーリーも面白く、2日程度で読了。

 

タイトル的に「サクラ」こと公安の強かさや格好良さがテーマなのかと思いきや、主人公はサクラに疑問を持つ警察職員だし、どちらかというとそちら目線の話だった。これは意外かも。

 

 

「奴らには、国家を守るという大義がある。たとえお題目であろうとな。職務を遂行するためなら、裏から手を回して捜査に介入し妨害するのも、厭わないだろうよ。」

「同じ身内ですよね。同胞を辞職に追い込むことになっても、ですか」

「国家の安全と一介の捜査員、秤にかけるまでもない。やつらにとってどっちが重いかは明白だ。」

梶山は当然のごとく答える。

 

「百人の命とひとりの命、たしかに秤にかけることはできん。だが、秤にかけなければいけない立場の人間もいる。きれいごとじゃあ、国は守れん。」…

「冨樫の言うとおり、感傷で国は守れない。時には非情な選択を迫られる場合もあるだろう。でも、なぜ自分は殺されなければいけないのかもわからず、突然、命を奪われた千佳や百瀬、残された遺族を思うと、冨樫の意見に賛同はできなかった。」

 

「公安によって、多くの人間の人生が狂わされました。命を奪われた者、子供を失った者、職を辞した者、多くの人間が悲劇の淵に投げ込まれたんです。無辜の人間の命を奪ってまでも、警察は国家の安全を追い求めなければいけないのですか。本末転倒ではありませんか。これは、国家の、国民への裏切りです。許されていいんでしょうか」

 

犠牲の上に、治定があってはならない。

個人より国の公安と、個人を大切に思う人の対立は良いよね。

 

連想したことといえば、NARUTOの暗部はやはり(物語で描かれる)公安っぽいなというのと、最後から二番目の台詞はこれもまたイワンが言っていたことのようだなと思った。

 

 

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